エリュールとは誰か(Who is Jacques Ellul?)

ジャック・エリュール(Jacques Ellul、1912年1月6日 – 1994年5月19日)は、フランスのボルドーを拠点に活動したプロテスタント知識人・思想家。「グローバルに思考し、ローカルに行動する」をモットーとし、パリの文化的・知的凝集力が強大なフランスにおいて、終生ボルドーに止まり、その地を活動の拠点とした。

 

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その生涯において、主として社会学と神学の2つの領域で、50冊以上の著作を残しており、それらは少なくとも12か国語に翻訳されている。主要な著作群以外に、 Réforme, Quotidien de Paris, Ouest-France, and Sud-Ouest Dimanche などに数多く寄稿。生涯に渡って執筆した論考は1000以上にのぼる。

 

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主著『技術社会』(原題は『技術、あるいは、世紀の賭け』 La technique ou l’enjeu du siècle)で、先駆的な現代テクノロジー批判と文明批評を展開したことで知られる。日本での知名度は全般的に低いが、主としてフランスと米国では広範な知的影響を及ぼしている。その影響は、例えば、産業社会批判で知られる思想家イヴァン・イリイチや、反グローバリズム(アルテルモンディアリスム)の活動家として知られる酪農家アナーキスト、ジョゼ・ボヴェ、「脱成長」を唱えるフランスの経済学者・社会哲学者セルジュ・ラトゥーシュなどに及ぶ。

キリスト教徒としては、フランスでは少数派であるフランス改革派教会に所属。クリスチャン・アナーキズムと呼べる思想の持ち主であり、福音信仰に深く根ざした神学的思索を重ねつつ、既成のキリスト教や教会のあり方を厳しく批判し続けた。